講師:正木 香子さん[文字の食卓]
私たちは日常のあらゆる場面で、様々なフォントを使って書かれた「ことば」に囲まれて生活しています。本や雑誌、テレビ、インターネット、広告や看板、飲食店のメニュー。それらは見る人の感情を動かし、ドキドキワクワク、おいしい期待を抱かせてくれます。どうしてそんなことが起こるのでしょうか? その答えは、私たちがいつの間にか身につけた「書体のイメージを理解して文字・文章を読む力」にあります。今回の講座では、実際の使用事例を通じて「ふさわしい書体とは何か?」を考えます。当たり前になっている感覚を意識するだけで、数あるフォントの中から読み手にとって心地いい書体を選ぶことができます。その力を活用すればデザインの差別化にもつながります。そして滋味豊かな書体の世界をもっと楽しむことができるのです。同じフォント文化圏を生きるみなさんと、意見を深めることができたら幸いです。ぜひお気軽にご参加ください。
●正木 香子(まさき きょうこ)
文筆家。レタリング技能検定中央試験委員。1981年生まれ、福岡県出身。早稲田大学第一文学部卒業。幼いころから活字や写植の書体に魅せられ、〈滋味豊かな書体〉をテーマに各紙誌エッセイを発表している。著書に『文字の食卓』『文字と楽園〜精興社書体であじわう現代文学』(以上、本の雑誌社)、『本を読む人のための書体入門』(星海社新書)、『タイポグラフィ・ブギー・バック: ぼくらの書体クロニクル』(平凡社)